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レストランAG

PLACEText: Victor Moreno

ヨハン・ユレスコーグはレストランAGのクリエイティブ・ディレクターであり、シェフだ。レストランはスウェーデンのベスト・ミート・レストランを2年連続で勝ち取っている。彼が自らの信念を貫いてきたことで築きあげたこのステータスはそう簡単なものではない。彼はスウェーデンのチャンネルTV4とのコラボレーション番組内で「ザ・ブッチャー(ザ・肉屋)」として知られているが、彼自身のTV番組も持ちたいと考えている。彼は同時に別のレストラン:ロルフズ・コック(ロルフのキッチン)でも働いているのだ。このレストランでは、シンプルで素朴な料理を提供する。

AGが成功を形作った秘訣は大きく2つある。一つ目はヨハンが持つネットワークだ。彼は毎週世界の様々な場所から最良の肉を仕入れることができる。この俊足さで、スペイン、フィンランド、スウェーデン、アメリカ、オーストラリア、スコットランドからだって、霜降り肉や和牛のアントルコート(肋骨の間からとれる切り身)、骨付きのクラブステーキ肉を取り寄せることができるのだ。2つ目の要素は、肉を80日まで保存させておくことのできる特別の冷蔵庫だ。乾燥・熟成させることで、ピリッとしたフレイバーと独特の舌触りを肉に与えることができる。

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ヨハンは16歳のときに料理を始めた。以来常に食に興味を持ってきた。彼はキャリアをこう説明してくれた。『スウェーデンでは、食事のために人々が集まることがあまりないが、私の家では何故かそうすることが多かった。それで、あるときシェフになることにしたんだ。それもナンバーワンのシェフに。徴兵制度で海外に行き、6ヶ月間をボートの上で過ごした。そして船長のための個人的な料理人として経験を積んだ。これが今となっては最高の経験だったと思う。若かったし、世界中に行くことができたから、生の食材を仕入れては調理して何でも試してみたんだ。港に入ると、船長のゲストもおもてなしするが、多いときは14人ものゲストだ。隣町から役員たちが船長の部屋を訪ねて食事を共にすることもあるので、そんな時も私が調理した。兵隊の訓練をしたとは言えないかもしれないが、私はいつも新しいレシピに挑戦したり、新しい物事を学ぼうと心がけていた。そしてその後、私の母親といっても過言ではないストックホルムにあるスウェーデン料理のレストラン:ポール・ノルバーグで働くチャンスを得て、また、パリとプロバンスの間でも3年ほど働いた。』

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彼は「ザ・ブッチャー」と呼ばれ、チャンネルTV4に大いに貢献している。『過去4年間、肉を扱ってきた。ロルフズ・キッチンはスペイン、イタリア、フランス、そしてスウェーデンの伝統的なレシピに基づき、自分のやり方でやっている。腸や肝臓などどんな部位でもできるだけ使うことが私の哲学なんだ。皆、フィレ肉を食べすぎだよ。フィレは動物の体の中でもたった2%しかないんだ。ロルフズ・キッチンはオープンして10年になるが、型にはまったやり方が嫌いなので、本当に良い材料で、長時間または短時間のどちらにしても、自然のやり方で素朴な調理を心がけている。ロルフズ・キッチンでは雛鳥の蒸し煮で有名で、1週間に数百キロもを売るんだ。私の看板メニューだ。AGはもっとシンプルで、世界中で最も良い肉を入れることに注力している。いつも良い肉を探しているよ。』

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彼らのレストランの前菜は季節を感じることができる。ゲストには、スタンディングバーでタパスをつまみながらちょっと飲み、レストランに移ってメインの肉料理をオーダーしてもらうか、タパスバーに立ち寄らない場合には前菜からそこで頼んでもらいたい。全てオーダー順通りに料理していくものの、季節によって味わえる冬の料理、春野菜や春、秋ならではのラムは是非楽しんでほしい。季節にフォーカスしすぎる必要はないが、季節に応じてメニューが変わるのは素敵だ。お客さんがそれぞれ異なる前菜を頼み、そして肉料理をシェアする、これがアイディアだ。

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